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発達障がいの診断方法|特性や対処法、セルフチェックの方法をご紹介

発達障がい診断 「失敗ばかりしてしまう」
「人の話をうまく理解できない」
「臨機応変に対応できない」

このようなお悩みはありませんか?

発達障がいは、生まれつき脳の働き方が人と異なるという説が有力で、上記のような困り感から生きづらさを感じることがあります。自分の障がい特性を理解して対処することで困り感を減らすことができれば、生きづらさを軽減できる可能性があります。

本記事では、発達障がいの診断方法やその特性、対処法、セルフチェックの方法についてお伝えします。

発達障がいの種類

発達障がいは、生まれつきの脳機能障がい(諸説あります)により「発達に偏りがある」状態を指します。例えば、運動は他の人と同じくらいできるのに、文章を理解することがとても苦手(困難)というように、発達に凹凸があることが特徴です。人は誰しも多かれ少なかれ苦手なことがありますが、生活に支障をきたす状態となると「発達障がい」と診断されます。

大人になって初めて発達障がいに気づく方もいます。今の大人が子どもだったころは、発達障がいには必ず知的障がいが伴うと考えられていました。そのため、今になって知的障がいを伴わない発達障がいと診断されることが多いのです。

子どもの頃はあまり困り感がなく、周囲も本人も発達障がいに気づかないまま大人になることもあります。

「落ち着きがないけど、子どもはそんなもの」
「口下手だけど勉強は得意だから大丈夫」
「勉強は苦手だけどスポーツは得意」

上記のように、発達障がいの特性が現れていても見過ごされ、大人になって自立した暮らしや就職を機に発達障がいに気づく人が多くいます。

発達障がいには主に3つの種類があります。

  • ・自閉スペクトラム症(ASD)
  • ・注意欠如・多動性障がい(ADHD)
  • ・学習障がい(LD) など

それぞれの特性と抱えやすい困りごとの例をご紹介します。

自閉スペクトラム症(ASD)

コミュニケーションの苦手さや、こだわりが強い、感覚過敏があるなどの特性があります。

相手の気持ちを上手に想像することが難しいため、場にふさわしくない発言をしたり、あいまいな表現を理解することが難しかったりします。自分の感情を言葉で表現して伝えることも苦手です。

【自閉スペクトラム症(ASD)の方が抱えやすい困りごとの例】

  • ・人との距離感がわからない
  • ・自分の感情や考えていることをうまく人に伝えられない
  • ・場の空気を読もうとするが的外れになる
  • ・生活上、強いこだわりがある(道順や場所、ルールなど)
  • ・臨機応変な対応が難しい
  • ・気持ちの切り替えに時間がかかる など

注意欠如・多動性障がい(ADHD)

同世代と比較して落ち着きがなく、不注意、多動性、衝動性が多いという特性があります。注意欠如・多動性障がい(ADHD)は、この特性が社会的、学業的、職業的活動に悪影響を及ぼす場合に、一定の基準をもって診断されます。

【注意欠如・多動性障がい(ADHD)の方が抱えやすい困りごとの例】

  • ・待つことが難しい
  • ・落ち着きがない
  • ・忘れやすくミス(不注意)が多い
  • ・人が話していても話し始める
  • ・ダメとわかっていても行動に移してしまう
  • ・片付けが苦手である など

学習障がい(LD)

知的な発達には問題がないにもかかわらず、読み書きや計算などが難しいという特性があります。読字の障がいを伴うタイプ、書字表出の障がいを伴うタイプ、算数の障がいを伴うタイプの3つがあり、一人ひとりの認知の特性に応じた対処法が必要です。

【学習障がい(LD)の方が抱えやすい困りごとの例】

  • ・文章を読むことが難しい(単語を認識することが難しい)
  • ・文章を理解することが難しい
  • ・似ている文字の判別が苦手である
  • ・文字を書くことが極端に遅い(板書が苦手)
  • ・計算が苦手である
  • ・字をバランスよく書くことが難しい など

大人の発達障がいセルフチェックテスト

発達障がいの診断には、専門医による詳しい検査や面談が必要です。セルフチェックの結果は参考程度にとどめ、自己診断は避けましょう。

下記に多く当てはまり、困りごとや悩みが多い方は病院や専門機関に相談してみてもよいでしょう。(発達障がいに関して相談できる専門機関は末尾でご紹介しています。)

  • ・長時間同じ体勢を保つことが難しい
  • ・物を忘れたり失くしたりすることが多い
  • ・計画的に予定をたてることが苦手
  • ・約束や予定をよく忘れる
  • ・やらなければならないことをギリギリまで後回しにする
  • ・興味があること以外は集中できない
  • ・興味があることには集中しすぎて、他のやるべきことをできない
  • ・一方的に話したり、人の話をさえぎって話したりしてしまう
  • ・言われたことをそのままの意味で受け取ってしまう(冗談が通じない)
  • ・仕事などでミスが多い
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発達障がい診断の病院での流れ

発達障がいは、初診で診断がおりることは少なく、診断がおりるまでに基本的には数カ月程度の期間を要します。具体的な流れは下記の通りです。

  1. 診察(問診・面談)
  2. 検査
  3. 診断

それぞれ見ていきましょう。

①診察(問診・面談)

診察では、問診と面談を通して「こどもの頃~現在の様子」を確認します。

発達障がいは、生まれつき脳の働きが異なるといわれているため、幼少期から発達障がいの特性が現れている場合が多くあります。幼少期のことは事前に養育者(親など)から話を聞くなどしてまとめておくか、面談に同伴してもらいましょう。母子手帳や小中高の学生時代の成績表もあるとよいでしょう。

また、大人になってからの様子も事前にセルフチェックリストを活用して整理しておくと診察がスムーズに進むでしょう。

【整理しておくとよい情報の例】

  • ・子どもの頃の様子
  • ・大人になってから職場や社会での暮らしに適応できているか
  • ・どのような困りごとがあるのか
  • ・不眠や寝過ぎ、うつ症状がないか
  • ・過去に同じような状態になったことがあるか など

②検査

検査には大きく3つの種類があります。

【スクリーニング検査】

スクリーニングとは「ふるい分ける」という意味があり、発達障がいの可能性があるのか、精密検査が必要なのかをふるい分ける検査です。

自閉症スペクトラムの検査としては、PARS、AQなどの検査があります。

【評価診断の検査】

スクリーニング検査でふるい分けられた方を、さらに詳しく検査します。専門性が高く、検査できる医療機関も限られています。

自閉症スペクトラムの検査としては、ADOS、DISCO、ADIなどの検査があります。

【認知機能検査】

認知機能とは、記憶力・計画力・注意力・空間認識力などのことです。脳がどのように機能していて、何が得意で何が不得意なのか、どんな課題があるのかを検査します。

一般には知能検査として用いられているWISC、WAISも発達障がいの診断に用いられることがあります。

③診断

診察と検査の結果を総合的に判断して診断がおります。この3段階のすべての検査を全部しないといけないわけではありません。一部の検査を行なって、聞き取りした結果などと合わせて総合的に診断が下されます。

発達障がいの対処法・治療法

発達障がいやその困りごとに対する対処法・治療法には、代表的な方法が3つあります。

  • ・自分の発達障がいの特性にあった対処法を取り入れる
  • ・SST(ソーシャルスキルトレーニング)を受ける
  • ・薬物治療を受ける

それぞれ詳しく解説します。

自分の発達障がいの特性にあった対処法を取り入れる

例えば、「適当にやっておいて」などあいまいな表現は日常的に使われます。そのあいまいな表現を理解できない場合は、具体的な指示をもらいましょう。また、口頭による説明が理解できない場合は、合わせて視覚情報をもらうなどの対応をお願いしましょう。

このように自分の発達障がいの特性にあった対処法をとることで、困り感を少なくすることができます。自分だけで対処することが難しい場合は、周囲にも協力してもらうとよいでしょう。

SST(ソーシャルスキルトレーニング)を受ける

SSTとは、「Social Skills Training」の略で、「社会生活技能訓練」や「生活技能訓練」と呼ばれています。

SSTは対人関係を中心とする社会生活技能のほか、服薬自己管理・症状自己管理などの疾病の自己管理技能に関わる日常生活技能を高める訓練です。実際の困りごとを想定してロールプレイング形式で訓練をおこないます。

薬物療法を受ける

薬物療法で発達障がいの症状を抑えることで、日常生活が送りやすくなったり本来の力を発揮しやすくなったりする可能性があります。

例えばADHDには大人では3種類(子どもでは4種類)の治療薬があり、ドーパミンなどの脳内物質を調整することでADHDの特性を和らげる効果があります。

薬物治療により発達障がいが治るというわけではなく、服薬はあくまで補助的な手段です。副作用が起こることもあるため、医師と相談した上での正しい服用が大切です。

発達障がいについて相談できる機関

発達障がいを抱えて生活するうえで、頼れる場所があることは大切です。自分ひとりで対処できないことも周囲のサポートを受けることで、困りごとを軽減できる可能性があります。

お住まいの地域にある下記のような機関をぜひ頼ってください。

  • ・発達障がい者支援センター
  • ・障がい者就業・生活支援センター
  • ・地域若者サポートステーション
  • ・相談支援事業所
  • ・就労支援機関(ココルポートなど)
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精神保健指定医/日本精神神経学会専門医・指導医

岡田 夕子(おかだ ゆうこ)

精神保健指定医/日本精神神経学会専門医・指導医

2005年滋賀医科大学卒業後、小児科や産業医として勤務した後に精神科へと転身。身体的、精神的症状を訴える患者を受け持つ。思春期特有の心の病気に取り組む「思春期外来」も担当しているほか、精神科系の記事執筆や監修なども行っている。

こんなお困りありませんか?

以下はよくご相談いただく課題やお悩みの例になります。
ご自身にあてはまる課題やお悩みをクリックするとご提案の例が表示されますのでぜひご参考にしていただければと思います。
チャレンジすることに不安があるかもしれませんが、Cocorportは「失敗できる場」なので、ぜひいろいろなことにチャレンジしていただければと思います。

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