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【口コミあり】パニック障がいの方に向いている仕事とは?長く働くコツと一緒に解説!
公開日:2022/04/21
更新日:2024/10/18
「仕事を続けたいけれど、職場に迷惑をかけてしまうのではないか」
「パニック障がいがあって、仕事を続けられるのか不安」
パニック障がいのある方の中にはこのように感じ、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、パニック障がいのある方が働く際に、職場でできる対策や向いている仕事、利用できる支援や機関についてお伝えします。
パニック障がいと付き合いながら仕事を続けるためのヒントとなる情報があるかもしれません。ぜひご一読ください。
※近年の世界保健機関(WHO)などの診断基準の改訂により、「パニック障がい」は「パニック症」という名称へ移行しつつあります。しかし一般的に馴染みがあるのは「パニック障がい」の表記であるため、ここでは「パニック障がい」に統一しています。
目次
パニック障がい(パニック症)の症状
パニック障がいは不安症群/不安障がい群という精神疾患カテゴリーの1つで、パニック発作を繰り返すことで、さらなる不安や行動の変化がおきてしまいます。まずは、パニック障がいの症状について見ていきましょう。
パニック発作
パニック発作は、パニック障がいに限らず、その他の不安症/不安障がいでも起こりうる症状です。
この発作では、突然何の前触れもなく動悸(どうき)や息苦しさ、発汗、震え、めまいなどさまざまな症状が起こり、激しい恐怖や不快感にみまわれます。
時間に関係なく、リラックスして過ごしているときにも発作が起こることがあります。パニック障がいでは、いわゆる「予期されない」発作をくり返すことが特徴です。
さらなるパニック発作や、その結果・影響に対する懸念・心配
パニック発作を繰り返すと、発作が起きていないときも「また発作が起きるのではないか」という慢性的な不安や恐怖(「予期不安・予期憂慮」などと呼ばれます)が続くようになります。
また、「なにか命に関わる病気が隠れているのではないか」といった身体的不安、「パニックになっているところを見られたらどうしよう」といった社会的な懸念、「自制心を失って、どうにかなってしまうのではないか」といった発作後の自身に対する恐怖などが続いてしまうケースもあります。
パニック発作による行動面の変化
長期間にわたって上記のような不安や恐怖が続くようになると、パニック発作が起きてしまった時の影響を最小限にするため、行動パターンが変わってしまうことがあります。例えば、運動を避ける、人と会う場面を避ける、毎日の活動の幅を制限するなどです。
また、以前に発作が起きた場所や発作が起きそうな場所を避けることもあります。
ちなみに、飛行機やエレベーターなど、パニック発作を起こした時に「逃げられない」「助けを呼べない」状況や場所に強い恐怖を感じる方もいます。
複数の状況に強い不安や恐怖を感じ、回避する場合は、「広場恐怖症」という別の病気が考えられます。
パニック障がい(パニック症)になったら仕事はどうすればいい?
パニック障がいをわずらう方の中には「このまま仕事を続けていけるのだろうか…」と悩んでいる方も多いでしょう。仕事を続けるためには、周囲の協力が必要不可欠です。
パニック障がいになった場合、下記のような取り組みを行いましょう。必要に応じて、職場へ働き方について相談してみることも大切です。
- ・自分の体調を良くするための治療に取り組んでみる
- ・働き続けるのであれば、上司や人事部などに必要な配慮をしてもらう
- ・休職し、体調の改善を目指す
- ・転職し、環境を変える
それぞれの取り組み方について解説していきます。
自分の体調を良くするための治療に取り組んでみる
突然前触れなく強い不安感や恐怖感におそわれる症状が続くと、いきなり退職するといった大きな選択をしてしまう方も少なくありません。しかし、精神的に落ち込んでいる場合は判断力が鈍くなっているケースが多いため、「重大な決断は、できるだけ先延ばしにしましょう」とよく言われています。
まずは治療に取り組み、自分の体調を整えることを最優先に考えましょう。治療には薬物療法以外にも、漢方薬や認知行動療法などいくつかの選択肢があります。改善までに時間を要することもありますが、自分にあった治療法が見つかることで、少しずつ回復していくことが期待できます。
一方、パニック障がいを放置すると、徐々に外に出ることが怖くなったり、うつ病を併発したりする恐れもありますので、注意が必要です。
働き続けるのであれば、上司や人事部などに必要な配慮をしてもらう
パニック障がいは、万が一仕事中にパニック発作が起きた場合、周囲の協力や手助けが必要です。そのため、上司や人事部、同僚などから理解を得る必要があります。
また、会社によっては産業医が相談に乗り、力になってくれるかもしれません。パニック発作に対する理解があれば、周囲に助けを求めやすくなるだけでなく、適切な処置を行ってもらえるという安心感にもつながるでしょう。
休職し、体調の改善を目指す
パニック障がいで仕事に支障が出ている方は、一度休職し期間を気にせず治療に専念することも大切です。パニック障がいは再発しやすいといわれており、改善したように感じてもそこで油断せず、十分に休養する必要があります。
また、パニック障がいは疲労や睡眠不足が続くと、発作を起こす可能性が高まるといった特徴があります。規則正しい生活リズムや休息は、パニック障がいを改善する上でポジティブな影響につながります。アルコールやカフェインを多く含む飲み物も、症状を悪化させる可能性があるため、休養中は控えましょう。
転職し、環境を変える
職場や業務に対して強い不安感がある場合、転職を検討するのも得策です。無理をして同じ仕事を続けるよりも、転職をして環境を変化させることで症状が改善する可能性があるからです。
ただし、転職を希望する場合は、必ず家族や主治医と相談した上で行うことが重要です。その上で、障がい者雇用や就労移行支援といった支援制度を利用することも検討してみましょう。
パニック障がい(パニック症)と付き合いながら仕事をしている方の声
実際にパニック障がいのある方々は、どのように自身の病気と付き合いながら仕事をしているのでしょうか。
ここでは、アンケート調査の結果をもとにして紹介していきます。
- ・調査時期:2022年8月4日~8月8日
- ・回答数:99件
- ・調査手法:インターネット調査
- ・調査対象:仕事をしていてパニック障がいと診断された方
- ・調査実施:インターネットリサーチ会社
パニック障がいと付き合いながら職場を変えずに仕事を続けた方は約30%
同じ仕事を続けた方の中で最も多かったのは「職場への迷惑を考えて何度か退職を考えたが、会社の上司や同僚がサポートしてくれたので継続できた」との声です。
アンケート結果では99人中、約30%の方が同じ仕事の継続を選択されています。理由としては「上司が業務内容を変更してくれたので、自分のペースで仕事ができるようになった」「会社側のサポートがあり、安心して仕事が続けられた」などが挙がっていました。
職場を変えずに仕事を続けるには、周囲の理解と協力が必要であることが分かります。
パニック障がいで休職した方は20%程度
パニック障がいのある方で休職を選ぶ割合は、20%程度となりました。
休職理由として「治療に専念するために休職することを選んだ」との声が多く挙がっていました。大きな決断は後回しにして「休職後に復帰できそうになければ退職しよう」と考える方が多いようです。
転職先が決まっていない状態で退職すると、精神的に大きな負担となる傾向にあるため、まずは休職して様子をみてもよいでしょう。
パニック障がいで退職した方は約30%
パニック障がいで退職を選んだ方の割合は、約30%となります。
退職した理由の中で多かったのは「上司からパワハラがあった」「会社に迷惑がかかると考えて退職を選んだ」との声です。
また「何度も会社を休んでしまい同僚に迷惑がかかり、職場に居づらくなったので退職を選んだ」との声もありました。パワハラやモラハラ、重労働などが原因で、医師から退職をすすめられた方は多いようです。また、職場自体に問題がある場合は、退職を選んだほうが賢明ともいえます。
パニック障がいで転職した方は一番少ない7%程度
パニック障がいのある方で転職を選んだのは7%程度と少数でした。
転職理由としては「職場の理解がなく、変な目で見られるのが苦痛だった」「職場に原因があったので転職した」といった声が挙がっています。転職先には、規則正しい生活ができる仕事や小規模の会社、フリーランスで働くことなどが選ばれているようです。
いずれも、主治医に相談しつつ働く環境を変えることにより、症状が改善している様子が見受けられました。
パニック障がい(パニック症)と付き合いながら仕事をする上で大切なこと
パニック発作は前触れなく突然起こるため、予測するのは困難です。そのため、通勤途中や仕事中に発作が起こることも考えられます。
パニック障がいと付き合いながら仕事をするためには、下記のような対策が必要です。
- ・通勤ラッシュの時間帯を避ける
- ・会議の席やデスクの位置を工夫する
- ・体調によっては在宅ワークをする
それぞれの対策方法を解説します。
通勤ラッシュの時間帯を避ける
パニック障がいのある方は電車やバスに乗るとき、人ごみに不安を感じるケースが少なくありません。その場合、職場に時差出勤の許可を得て、通勤ラッシュの時間帯を避けるとよいでしょう。
また、乗降口近くの席を選び、快速ではなく各駅停車に乗車すると、すぐに降りられることから発作に対する不安が和らぎます。
会議の席やデスクの位置を工夫する
会議室や職場など閉鎖された空間に不安を覚える方は、部屋の出入り口付近や窓際など、少しでも不安が軽減できる場所を選びましょう。
気分がすぐれないときは席を外す旨を、前もって周囲に伝えておくとよいでしょう。
体調によっては在宅ワークをする
パニック障がいのある方には、まじめで責任感が強い性格の方が多くいます。その性格から、体調がすぐれないときも無理をして、疲労やストレスをためこみやすい傾向にあります。
しかし、その疲労やストレスがパニック発作を引き起こす要因にもなります。不安が強いときや体調がすぐれないときは、在宅ワークを許可してもらいましょう。
パニック障がい(パニック症)のある方に向いている可能性がある仕事
パニック障がいのある方は、下記のような仕事に向いている可能性があります。
- ・事務職や経理職などの定型業務
- ・研究職や開発職(エンジニア)などの自分のペースで行える仕事
- ・フリーランス系の仕事
それでは、パニック障がいのある方に向いている仕事をそれぞれ解説します。
事務職や経理職などの定型業務
変則的な勤務や対人ストレスによる心身の負担からパニック発作が起きやすくなる方は、事務職や経理職などの定型業務がおすすめです。
その中でも電話対応の必要がなく、一人で落ち着いて行える業務が向いていると言えるでしょう。来客の対応や電話でお客様と接する仕事など、パニック発作が起きたときに逃げ場のない状況が考えられる業務は不安が強まるため避けたほうがよいでしょう。
研究職や開発職(エンジニア)などの自分のペースで行える仕事
なるべく人前に出たくない方は、顧客や取引先とはメールやチャットなどテキストベースでのやりとりが主となる研究職や開発職のような仕事がおすすめです。
また、ITや通信、インターネット系など、自分のペースで仕事が行える業種が働きやすいでしょう。
フリーランス系の仕事
フリーランス系の仕事は在宅勤務が可能なため、自分で就労スケジュールの管理が行えます。そのため、無理なく働きたい方におすすめです。
ただし、動画編集やWebライターなどの仕事は自分のペースで仕事は行えるものの、必ず締め切りが存在します。仕事の種類によっては取材が必要な場合もあるでしょう。そのため、働きやすい条件がすべて揃っているわけではありません。
人によっては向き不向きもあるため、なるべく自分の得意分野を活かせる仕事に挑戦してみましょう。
パニック障がい(パニック症)のある方が利用できる経済的支援制度
日本には、パニック障がいをはじめとする精神障がいのある方のために、さまざまな支援制度が存在します。
- ・自立支援医療制度(精神通院医療制度)
- ・障がい者手帳
- ・障がい年金
- ・生活保護
- ・傷病手当金
それぞれの支援制度について解説します。
自立支援医療制度(精神通院医療制度)
精神疾患の治療のために通院中の方の医療費の自己負担額を軽減する制度です。
重度の症状があり、継続した治療を要すると判断された場合、パニック障がいも適応となる場合があります。治療により症状は安定しているものの、再発予防の目的で通院している方も対象となります。疾患の種類や世帯所得に応じ、負担の限度額が設定されています。
公的医療保険で医療費は原則3割が負担となるところ、自立支援医療制度を利用することで1割まで軽減されるため、経済的な負担を軽減してくれるでしょう(世帯収入や症状によって負担する限度額は異なります)。
自立支援医療制度は、各都道府県にある「都道府県・指定都市社会福祉協議会」で実施されており、県によって条件などが異なります。
障がい者手帳
パニック障がいをはじめ精神障がいのある方は「精神障がい者保健福祉手帳」という障がい者手帳を取得できる可能性があります(その障がいによる初診日から、6カ月以上経過した後に申請可能です)。
障がい者手帳を取得すると、疾患の種類や程度に応じた福祉サービスや税金の控除、また公共交通機関の運賃や公共施設利用料の割引なども受けられます。就職活動の際は、障がい者雇用枠も利用可能です。
障がい年金
障がいや疾患により、生活や仕事に支障が出たときに支給される年金です。働いている場合も症状の度合いにより、支給が受けられます。パニック障がいは原則として障がい年金の対象外となるものの、例外で認定されるケースもあります。
たとえば、パニック障がいとともに統合失調症やうつ病などの精神疾患を併発している場合、症状が重度となり「精神病の病態」であると判断された場合などは、認定対象となることがあるようです。
障がい年金を申請する際は、以下を準備しましょう。
- ・診察券(診察日や診療科を確認できるもの)
- ・初診日の領収書
- ・お薬手帳
- ・健康保険の給付記録
障がい年金を申請するには、初診日を証明するための書類が必要となります。必要なときに病院にカルテが残っていない可能性もあるため、上記の書類は保管しておくようにしましょう。
生活保護
病気やケガにより働けず収入がない状態で、国が定めている収入の最低水準を下回る方の生活費用を保障するための制度です。生活保護を受給するためには、さまざまな条件があります。
また、生活保護は申請してすぐに支給されるわけではなく、原則として14日は必要です。まずは現在お住まいの市区町村の窓口に行き、早めに相談しましょう。
傷病手当金
病気やケガで仕事を休み、十分な収入が確保できない場合に支給されます。傷病手当金は万一のときに、無収入の状態になるのを避けるための制度です。
支給期間は最長1年6カ月、支給額は過去12カ月間の給与を平均した額の3分の2が目安となります。健康保険の加入者が対象となり、任意継続や国民健康保険の加入者は対象外となることに注意しましょう。
パニック障がい(パニック症)のある方が利用できる就労支援制度
パニック障がいのある方が、就職、転職する場合、病気の特性に合った仕事に就くことが大切です。
自分ひとりで抱え込むのではなく、下記のようなサービスや専門機関を利用し、アドバイスや支援を受けることをおすすめします。
ハローワーク
専門の職員が配置されており、相談はもちろん、関係機関と連携した支援サービスを幅広く提供しています。
就職に関する相談やカウンセリングの実施のほか、障がいや疾患のある人を対象にした求人の紹介なども行っており、仕事や就職に悩むパニック障がいの方も活用できます。
就労移行支援事業所
障がいのある方が一般就労を希望される際に、職業訓練プログラムなど就職に関する支援を幅広く実施しています。就職に必要な知識やスキルを向上するための訓練(パソコン操作など)や、適性に応じた求職活動に関する支援(履歴書作成や面接対策など)をおこないます。利用期間は2年です。対象者は、通常の事業所(一般企業)に雇用が可能と見込まれる、18歳〜65歳の障がいや難病のある方です。
就労移行支援事業所ではさまざまなサービスを提供しており、ご本人に合った支援サービスを選ぶことが可能です。
不安や困りごとはひとりで抱え込まず、ご自身に合った支援機関、支援制度を積極的に利用しましょう。
パニック障がい(パニック症)のある方の就職、転職に関するご相談はココルポートへ
本記事では、パニック障がい(パニック症)でも仕事を続けたいと思っている方に向けて、発作の対策や相談できる機関、支援制度をご紹介しました。この記事が、パニック障がいと付き合いながら仕事を続けるためのヒントとなれば幸いです。
また、パニック障がいのある方が就労を希望するときに利用できる機関の1つとして、就労移行支援事業所をご紹介しましたが、興味をお持ちの方は、ぜひ一度就労移行支援事業所であるココルポートにお問い合わせください。
ココルポートではご利用者様お一人お一人に適した個別支援にこだわり、就労移行支援サービスを提供しています。555種類以上の訓練メニュー(プログラム)を用意しており、スタッフと相談しながら自分に合ったメニューを選ぶことが可能です。
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