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発達障がいのある方が転職に成功するためのポイントや向いている職業とは

発達障がいのある方の中には、転職がうまくいかないと悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

場合によっては、転職を何度も繰り返すケースも少なくありません。

発達障がいのある方が職場定着率を上げるには、自分の特性を知り、それに合った仕事を選ぶといった工夫が必要です。

今回は発達障がいのある方が転職を成功させるコツを解説します。特性別に向いている職業についても紹介していきますので参考にしてみてください。

※今年(2022年)から発効するICD-11によって「~障がい」という負のイメージのある言葉が「~症」にとって代わりました。今後は「神経発達症(ICD-11)」や「神経発達障害(DSM-5)」という表記に変わっていくと思いますが、ここではなじみのある発達障がいという表記で話しを進めていきます。

発達障がいの3つの種類

発達障がいとは、脳機能の発達が生まれつき偏っているために生じる障がいです。

得意・不得意といった特性がはっきりしていることが多く、周囲の人や環境と合わなかった場合、社会生活に困難や生きづらさを感じることもあるでしょう。

発達障がいには様々な種類があります。ここでは、その中でも主な3種類と発達障がいの傾向のあるグレーゾーンについて紹介します。

注意欠如・多動症(注意欠如多動性障がい/ADHD)

注意欠如・多動症は、その名の通り不注意や多動・衝動性が主な特徴です。それぞれの特性は次のとおりです。

不注意

集中できない、物をすぐになくす、すぐに気が散るといった特性があります。「期限内に提出できない」「複数の仕事を同時にこなせない」といった問題が生じがちです。

多動性

じっとしていられない、手足を常に動かしてしまうなどの特性があります。そのため、長時間座り続ける仕事が苦手な方もいるでしょう。

衝動性

イライラしやすい、待つことができない、相手の話や行動を邪魔してしまうなどの特性があります。

「思い通りにならずにイライラしてしまう」「仕事相手の話を最後まで聞くことができない」などの問題が起こりがちです。

発達性学習症(限局性学習症/学習障がい/LD)

発達性学習症の方は、全般的な知的発達の遅れはないものの、特定の技能(「聞く」「読む」「話す」「書く」「計算・推論する」など)の学習や使用に困難があり、日常生活や仕事に支障をきたす状態にあります。

具体的には、音読が遅い、読み間違いが多い、文字を書くのが遅い、バランスのとれた文字をうまく書けない、計算の習得が難しいなどです。

全般的な知的発達の遅れはありません。

「仕事中に必要なメモが取れない」「書類が書けない」「書類が早く読めないため仕事をうまく進められない」「お金の計算が困難」などの問題が生じることもあるでしょう。

自閉スペクトラム症(自閉スペクトラム障がい/ASD)

自閉スペクトラム症の方は対人関係やコミュニケーション、社会性に問題が生じがちで、強いこだわりが見られることも少なくありません。(以前に広汎性発達性障がいやアスペルガー障がいとよばれていた疾患も、こちらに統合されました)

対人関係・コミュニケーションの問題

対人関係やコミュニケーションにおいては下記のような問題が起きることがあります。
相手との適度な距離感がはかれない
その場の空気や相手の感情を察することができない

こだわり(限定された反復的または常同的な行動)

自閉スペクトラム症のこだわりでは、下記のようなものが例として挙げられます。

  • ・独自の決まったやり方がある
  • ・興味や関心に偏りがある
  • ・感覚に敏感または鈍感である

自分が決めたいつもの手順や、興味を持つ事柄に強くこだわりを持つ方が多いのが特徴です。

急な環境変化や突然の予定変更などが起きると柔軟な対応が困難で、パニックを起こす方もいます。

発達障がいの傾向がある「グレーゾーン」

注意欠如多動症・発達性学習症・自閉スペクトラム症などの傾向はあるものの、診断基準には当てはまらない、いわゆる「グレーゾーン」の方も少なくありません。

グレーゾーンの方は発達障がいであるという確定診断がないために、特性上の困難があるにもかかわらず適切なサポートを受けにくい場合があります。

職場でうまく仕事がこなせない時に、特性としてではなく「本人のやる気や努力が足りない」などと誤解されてしまい、働きづらさを感じてしまう場合もあるようです。

発達障がいで転職を繰り返してしまう場合の理由

発達障がいのある方は、一定の割合で転職を繰り返す傾向にあります。

2017年4月公表の公共職業安定所における障がい者の紹介就職・職場定着の実態調査では、発達障がいがある方の一般企業へ就職定着率は、3カ月後は84.7%、1年後では71.5%でした。

一般企業への就職定着率 3カ月後 1年後
2017年4月 84.7% 71.5%

一方、厚生労働省の「雇用動向調査」によると、障がいのない人の2018年1年間の離職率は14.6%であり、就職定着率は85.4%でした。

一般企業への離職率と就職定着率 離職率 就職定着率
2018年1年間 14.6% 85.4%

対象の年月が異なるためあくまで参考ですが、発達障がいのある方と障がいのない方のそれぞれを比較した場合、発達障がいがある方の就職定着率が13.9%低いことが分かります。

発達障がいのある方が転職を繰り返すのには、いくつかの理由があります。主な理由を2つ見ていきましょう。

参照:高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者職業総合センター「障害者の就業状況等に関する調査研究」

参照:厚生労働省「平成 30 年雇用動向調査結果の概況」

自分の適性に合わない仕事を選んでいる

転職活動をする際には、自分自身とじっくり向き合って適性を見極めることが大切です。自身の適性を把握・理解していないと、合わない仕事に就いてしまう可能性が高まります。

その結果、集中力が保てない、仕事でミスやトラブルを繰り返すなど、様々な問題が生じ、退職という結果につながることもあるでしょう。

発達障がいのある方は苦手な分野がある一方で、得意な分野もあります。仕事選びを始める前に、ご自身の適性を把握・理解しておきましょう。

人間関係のトラブル

発達障がいのある方は、コミュニケーションにおけるトラブルを抱えやすい傾向にあります。

特に自閉スペクトラム症の方は、コミュニケーションが不得意と感じている場合も少なくありません。

他者と感情や関心事を共有するのが苦手な方や、「微妙な空気を読むのが難しい」と悩んでいる方も多いでのではないでしょうか。

また、強いこだわりがあるために仕事のやり方が周囲と違ってギクシャクしたり、かんしゃくや多動のために周囲から誤解されやすかったり、といった傾向も見受けられます。

そのため、協調性がないと判断されたり、上司とうまく連携を取れずに叱責されるなどを経て、転職に至ってしまいます。

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発達障がいの方が転職活動を成功させるポイント

発達障がいのある方でなくとも転職する場合は、できる限り長く働き続けられる仕事を選びたいと考えることも多いでしょう。

転職活動を成功させるには、「職場環境」や「障がい者雇用枠の有無」をはじめ、事前に確認しておくべきポイントがいくつかあります。

ここからは、発達障がいのある方が転職を成功させるために大切なポイントを3つ紹介します。

職場が発達障がいへの配慮がどの程度あるかを確認する

気になる職場を見つけたら、発達障がいへの配慮がどれくらいなされているかどうかに着目しましょう。

発達障がいへの配慮の程度を知るには、次の点に注目します。

  • ・仕事を長く続けられるようにするための十分なフォロー体制があるか
  • ・発達障がいについて理解するための研修制度の有無
  • ・福利厚生が整備されているか

職場の方が発達障がいについての理解があるかどうかも事前に確認しておくと、働き始めてからストレスを受けることが少なくなります。

発達障がいであることを面接時に伝える

自身が発達障がいであることを伝えずに面接に臨む方もいます。

障がいのことを伝えると面接で落とされてしまうのではないか、一般枠で就職できないのではないかと不安に思ってしまうこともあるでしょう。

しかし、伝えずに就職すると発達障がいの特性から起こる症状が理解されないために、「報告・連絡・相談ができていない」「怠けているのではないか」などと上司から悪い評価を受けてしまう可能性があります。

そのため、可能な限り発達障がいであることを伝えた上で、転職活動に臨むと良いでしょう。

もちろん、場合によっては、発達障がいと伝えず、自分の不得意なことを伝えるだけで配慮してもらえることもあります。

障がい者雇用枠を検討する

企業で働くとき、一般枠と障がい者枠の2通りの雇用形態があります。

一般枠は、一般の方と同じ条件で勤務する形態で、賃金の水準が高く、幅広い選択肢の中から仕事を選べる点がメリットです。

ただし、一般枠は障がい者枠で雇用された方と比較すると、障がいに関する配慮が足りなくなる傾向にあります。一般枠雇用で大丈夫だと思って転職したものの、いざ働き出すと上司の理解が乏しく、配慮が足りないと感じることがあるかもしれません。

一方、障がい者雇用枠であれば、障がいに対する配慮が行き届いている場合が多く、一般枠よりもストレスが比較的少ない、心身の不調の際にお休みを取りやすいなどのメリットがあります。

ただし、賃金の水準が一般枠よりもやや低い傾向があり、選べる仕事の幅が狭まるという点がデメリットです。メリットとデメリットをふまえて、自分にとってどちらがよいか検討しておきましょう。

発達障がいのある方に向いている職業

転職を繰り返さないためには、自身の特性に合った職業を選択することが大切です。

ここからは、注意欠如多動症、発達性学習症、自閉スペクトラム症、それぞれの特性を踏まえた上で、おすすめの仕事について解説します。

自分の特性や得意なことを活かせる仕事を探しましょう。

注意欠如多動症は行動力やアイデアを活かせる仕事がおすすめ

注意欠如多動症のある方は、多彩なアイデアにあふれ、うまく気持ちが向けば非常に高い集中力を発揮できることが多いです。

一方で、興味のあること以外には集中力が続かない、じっとしていられないなどといった特性があります。

そのため、あまり関心の向かない仕事をミスなく遂行するのは苦手な場合もあります。

一方で、豊富なアイデアや高い行動力といった長所を活かし、企画、デザイナー、プランナーなどの職業を検討してみましょう。

発達性学習症は苦手な作業が少ない仕事がおすすめ

発達性学習症は文字の読み書き、計算・推測などが苦手であるという特性があります。知的能力には基本的に問題がなく、苦手な作業が少ない仕事を選べば活躍の場が見つかることでしょう。

個人個人の特性によりますが、発達性学習症の方の特性上、視覚的な認知において特別な才能を持っている場合があります。

そのような方は、視覚で物事を理解し把握していくカメラマンや、デザイナーでの活躍も期待できると言えます。

自閉スペクトラム症は集中力の高さを活かせる仕事がおすすめ

自閉症スペクトラム障がいは、対人コミュニケーションが苦手で、行動にこだわりを伴うことが特徴です。

そのため、対人関係を重視する仕事やコミュニケーションが求められる仕事では疲れやすく、パフォーマンスを発揮できない場合があります。

一方で、興味や関心のある分野への強みを活かせる専門的な仕事には向いています。自分の興味を活かし、エンジニアや研究職など専門性の高い仕事を選ぶとよいでしょう。

発達障がいのある方が頼りにできる専門機関

自分の特性を正確に把握し、適性を活かせる仕事先を見つけることを困難と感じる方もいらっしゃるでしょう。

もし発達障がいのある方が転職活動を困難と感じる場合は、専門機関の支援を受けることを検討してみましょう。

自分に適した転職先を見つけられないときや転職を繰り返して悩んでいるとき、就職に関して困っている場合に、専門機関を頼ることで道が拓けることは少なくありません。

ここでは、発達障がいの方が頼りにできる専門機関を3つ紹介します。

ハローワーク

ハローワークには、障がいや疾患のある方の就労を支援する窓口「専門援助部門」があります。

適性や希望職種に応じた職業相談や紹介を受けられ、精神障がい者保健福祉手帳をお持ちの場合は、障がい者雇用枠を利用するかどうかの相談もできます。また、一般の求人も多くあります。

また、一部のハローワークでは「発達障がい者雇用トータルサポーター」が配置されており、個人個人の障がい特性や作業能力などを把握しつつ、就職準備段階から職場定着まで、カウンセリングをはじめとしたさまざまな支援が受けられます。

参照:厚生労働省「発達障害者の就労支援」

地域障がい者職業センター

地域障がい者職業センターはハローワークと連携し、障がいのある方の専門的な職業リハビリテーションを提供し、就労をサポートする施設として各都道府県に設置されています。障がい者手帳のない方も利用できます。

専門のカウンセラーへ相談が可能で、発達障がいのある方に合った働き方の提案や、仕事を続けるためのアドバイスなども行っています。

就職相談だけでなく職場定着や職場復帰を目指す方の相談にも乗っているため、必要に応じて利用を検討してみましょう。

障がい者就業・生活支援センター

障がい者就業・生活支援センターは、下記の施設等と幅広く連携し、就業と生活に関する一体的な支援を行っています。

  • ・ハローワーク
  • ・地域障がい者職業センター
  • ・保健所
  • ・就労移行支援事業所

障がい者就業・生活支援センターでは、就業に関する相談支援や職場実習のあっせん・就職活動の支援をしてくれます。

また、発達障がいの方が困りやすい、健康管理や金銭管理をはじめとした、日常生活や地域生活に関するアドバイスも受けられるため、必要に応じて利用するとよいでしょう。

発達障がいのある方は特性を活かして転職活動を進めよう

発達障がいのある方が転職を成功させるためには、自身の特性の把握が欠かせません。得意な部分を活かせる職業を選べば、働く中で活躍できる可能性があり、自信につながります。

一人で転職活動を進めるのが不安な場合には、ハローワークや地域障害者職業センターなど専門機関への相談を検討しましょう。

就労移行支援事業所の活用もおすすめ

発達障がいのある方が転職を成功させるためには、転職活動時に就労移行支援事業所の活用もおすすめします。

就労移行支援事業所は企業への就職を希望する障がいのある方に向け、スキルや知識の提供を行う専門機関です。

就労移行支援事業所ココルポートでは、発達障がいのある方の就職・転職活動に向けて様々なサポートをしています。「自分の強みが分からない」「課題解決方法が見つけられない」といったお悩みをはじめ、幅広いお困りごとに対応いたします。

就職後の定期的な面談や電話フォローをはじめとした定着支援も充実しているので、転職を繰り返すことが不安な方も利用してみてはいかがでしょうか。

就労移行支援事業所ココルポートでは無料見学会を実施しています。電話相談も可能ですので、転職のサポートに不安がある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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西原 浩司(にしはら こうじ)

医学博士(慶応義塾大学)、精神科専門医・指導医、認定産業医
長崎大学病院精神科神経科助教、日本学術振興会特別研究員、慶応義塾大学医学部助教(生物学教室)を経て、現在は沖縄県の天久台病院を中心に精神科診療に従事。
その傍ら、慶応義塾大学医学部訪問研究員としてiPS細胞をもちいた精神疾患の基礎研究を行っている。また複数大手企業の産業医として漢方や鍼灸、栄養学的な情報「心とカラダの予防医学」を目指して活動中。


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