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ADHD(注意欠如・多動性障がい)のある方は転職を繰り返す? おすすめの職種を解説

外仕事をしている女性の画像

ADHDの方の中には、「転職を繰り返してしまう…」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

ADHDの方が転職を繰り返してしまう理由は様々ですが、自身の特性を理解できていない、自分に適した職種を選べていないなどのケースが多いです。

本記事では、独自に聴取したアンケートを基に、ADHDの方が転職を成功させるためのポイントやおすすめの職種、転職をサポートする就労移行支援制度について解説します。

自分に適した職場を見つける参考にしてください。

ADHDとは?

ADHD(注意欠如・多動症)は、不注意や落ち着きのなさ、衝動性などが問題となりやすい障がいです。

12歳以前から発症するケースが多く、原因はいまだに明らかになっていません。前頭葉を含めた脳内ネットワークの機能異常などの仮説が提唱されていますが、遺伝因子や環境因子のみでは説明がつかない障がいです。

主な特性は、不注意、集中困難(もしくは過集中)、飽きっぽさ、落ち着きのなさ、先延ばし傾向などです。さらに、自己管理や計画性などに課題があり、日常生活や社会生活において支障をきたす傾向があります。

これらの症状は、軽度のものなら誰にでも1つくらいはあるような特性ですが、一つ一つの症状が強く、また複数の症状が重なって生活に支障をきたす場合は、精神科や心療内科へADHDの診断について相談してみましょう。

自閉スペクトラム症や限局性学習症(学習障がい)、チック症などを併発することもあり、日常生活や社会生活などに支障をきたしてしまいますが、薬物療法や心理療法、行動療法の組み合わせにより症状の改善は可能です。

ADHDを障がいではなく個性とする捉え方もあります。創造性や感受性の豊かさ、柔軟性・行動力のある方が多いため、適切なサポートがあれば職場で活躍できる可能性は高いです。

ADHDに関して、さらに詳しく知りたい方は下記記事をご覧下さい。
関連記事:「ADHD(注意欠如・多動性障がい)とは?特徴や症状、診断方法をご紹介

ADHDの特性があり、転職を経験した方の声

ADHDの特性がある方が転職を成功させるためには、転職経験者の声を聞くことが大切です。

ここでは、ADHDの特性があり、転職をした経験がある方を対象に行ったアンケートデータを基に、具体的な体験談を紹介します。

ADHDの方はどんな職種で働いている?

アンケート調査によって得られた情報をグラフにまとめました。

以下の通り、ADHDの方が働いている最も多い雇用形態は一般社員となっており、次いでパート・アルバイト、派遣社員・契約社員という順です。

▼現在の雇用形態を教えてください

グラフの画像

雇用形態 具体的な職種
会社勤務(一般社員) 事務員、営業職、製造業、運送業、IT系、Webデザイナー等
派遣社員・契約社員 事務員、コールセンター、福祉施設職員、通信教育の採点等
パート・アルバイト 飲食店・コンビニ・販売員などの接客業、事務、歯科助手等
フリーランス・SOHO デザイナー、イラストレーター、ライター、翻訳等
公務員・教職員・団体職 事務補助、就労支援員、看護師等
会社勤務(管理職) 広告宣伝、営業、金融等

ADHDの方はどんな仕事をしている?

ADHDの方は、その特性を持ちつつもさまざまな職種で働き、活躍しています。以下は、アンケートデータの中で多かった仕事内容です。

職種 仕事内容
事務職 パソコン仕事や軽作業、運送業での配車や電話対応、書類の作成や整理、経理業務、資料コピーなど
営業職 物件の案内、商品の売り込み、代理店への営業など
接客業 飲食店・コンビニ(レジ打ち、注文を伺う)、店内の掃除、洗い物、盛付けなど
デザイナー アパレル、ロゴ制作、Webデザイン、写真の色調補正・加工・合成など
広告宣伝 カタログ制作、Web管理など
金融 管理業務、仕事の設計など

ADHDの方が転職をする際に気をつけたこと

ADHDの方が転職をする際に気をつけたこととして多かった回答は、以下の通りです。

  • ・リラックスして業務に当たれる環境か
  • ・人との関わりが少なく1つずつこなせる仕事か
  • ・理解を示してくれる職場か
  • ・企業のクチコミを確認し、人間関係を重視した
  • ・スキル重視の仕事を選んだ
  • ・自分ができそうな仕事に応募した
  • ・サポートしてほしい内容を具体的に提示した

上記のようなポイントは、自分に適合する職場や働く環境を見つけるための重要な指針となります。

ADHDの方が転職をする際に困ったこと

ADHDの方が転職をする際に困ったこととして、最も見受けられたのは以下のような声です。

  • ・自分に合う仕事や向いている仕事が何なのか分からなくて困った
  • ・新しい職場でうまく働けるかという不安やストレスを抱えていた
  • ・面接で即座に考えて話すことが難しくて苦労した
  • ・過集中により自己管理が難しく、働きすぎて体調を崩してしまった
  • ・後回し癖があって、履歴書や職務経歴書の作成がギリギリになって慌てた

これらの体験談から、自身のADHDの特性を理解し、対策を考えつつ転職活動を行うのが重要であることが分かります。

ADHDの方の転職先選びのポイント

ADHDの特性のため、現在の職場が合わないと感じている方も多いのではないでしょうか。ADHDの方が、うまく職場に適応できるようになるためには、どのような環境がのぞましいでしょうか。

ここでは、ADHDの方がうまく仕事を続けていきたい時に、どのような職場を選べばよいか、望ましい職場の条件をご紹介します。

周囲からの理解がある職場を選ぶ

ADHDに理解があり、適切なサポートが受けられる職場で働くことが重要です。

理解のある職場では、ダブルチェックの体制や、集中力を高める環境や必要なツール、ガイドラインが提供される場合があります。これにより、仕事のミスを減らし、周囲への影響を軽減することが可能です。

また、個々の能力や興味に応じた業務にも就きやすいため、より良いパフォーマンスが発揮できます。理解のない環境下で仕事でのミスが連続すると、自己評価が下がり、ストレスによって二次障がいとよばれる不安や落ち込みなどの症状につながる可能性もあるため、職場環境には注意が必要です。

サポート体制の有無を確認する

ADHDの方が転職先を選ぶ際は、自分の状況に適したサポート体制が整っているかを確認することも大切です。

例えば、柔軟な勤務時間や休憩時間の調整、業務内容・タスクの優先順位設定、定期的なカウンセリングなどのサポートが挙げられます。

悩みを相談しやすい職場環境は、ストレスが溜まりにくいと言えるでしょう。また、障がい者雇用枠を活用すれば、ADHDの方に配慮のある職場を見つけやすいため、働きやすい環境が得られやすくなります。

働き方の自由度が高い職場を選ぶ

ADHDの方にとって、裁量労働制やフレックスタイム制などが導入された、時間管理の柔軟性が高い職場を選ぶことも有効です。特性による急な体調変化があっても調整しやすいため、働きやすくなります。

また、自由度の高い職場では業務調整も容易なため、自分のペースに合わせた働き方が可能です。

ADHDの方は、一つのタスクに集中して仕事が急速にはかどる時があります。そのため、他の人の時間に無理に合わせて業務が途切れ途切れになると、仕事効率が下がってしまう可能性もあるでしょう。

一般的に、優先順位を都度決めていかなければならないマルチタスクや、1つの作業に長時間の集中が必要な職場は、ADHDの方にストレスや焦燥感を与える傾向があります。

したがって、得意分野を活かせる業務、もしくは自分のペースで作業を進行できる職場を選ぶとよいでしょう。

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ADHDの方の転職を成功させるための注意点

ADHDの方が転職を成功させるためには、自身の特性を理解した上で事前準備を行い、自分に合った職場を選ぶことが大切です。

ここでは、ADHDの転職を成功させるための注意点について解説します。

自分のADHDの特性を理解する

転職の際、自分に適した職場や仕事を見つけるには、自身のADHDの特性を理解することが重要です。

ADHDの特性は、大きく分けると、不注意と多動性、衝動性の3つに分かれ、2つ以上の特性を併せ持つ場合もあります。また、それぞれ向いている職種が異なります。

また、自身のADHDの特性や対処法を理解しておくと、職場でのコミュニケーションやパフォーマンスの向上にもつながります。

自分の特性を踏まえて、どのような条件で働く必要があるのか整理しておくとよいでしょう。

ADHDの特性に関するさらに詳しい情報は下記記事をご覧ください。
関連記事:「ADHD(注意欠如・多動性障がい)とは?特徴や症状、診断方法をご紹介

面接で伝える内容を事前準備する

ADHDの方にとって、面接の準備は非常に重要です。なぜなら、不注意傾向や多動性・衝動性などの特性が話の脱線や注意力の低下を引き起こし、自己評価を損なう可能性があるからです。

また、事前準備は面接中の緊張やパニックを防ぐ効果もあります。

さらに、企業側に自分の特性や苦手な分野を明確に伝え、希望するワークスタイルを提示するための重要な手段となります。また、企業に要請するサポートや対策も伝えられるようにしましょう。

転職の際の面接ではADHDの特性があることを伝えるべきか

障がい者雇用ではない場合、転職先の面接でADHDの特性があることを伝えるかどうかは、状況次第です。

ADHDの特性が仕事に影響を及ぼす可能性がある、または職場の理解や配慮が必要な場合は、その旨を伝えたほうがよいでしょう。

一般的に転職の面接では、前職での退職理由を聞かれるケースが多いです。そのため、ADHDの特性と職場環境が合わなかったという事実を正直に伝えることを推奨します。

ただし、ADHDの方の採用に積極的でない企業も存在するため、判断は慎重に行うべきです。伝える際は、具体的な支援や配慮が必要な点を明確にすると、理解を得やすくなります。

ADHDの方におすすめの職種

ADHDの方は、自分の特性を活かせるだけでなく、ストレスを感じにくい職種を選ぶことが重要です。以下は、ADHDの方に適合しやすい職種になります。

  • ・創造性を活かせる仕事
  • ・アウトドアの仕事
  • ・自分のペースで進められる仕事

それでは、それぞれの職種について解説します。

創造性を活かせる仕事

ADHDの方は一つのことに注意を向け続けるのがむずかしい一方で、アイデアが豊富で創造性・独創性が長所なことも多いです。

そのため、デザイナーや作家、芸術家など、独自の感性やアイデアが求められる職種は適合しやすいです。

また、自分のペースで業務を遂行できるものが多いため、ストレスも軽減できます。また、自己達成感を持続させ、積極性や創造性を引き立てることも可能です。

創造性を活かせる仕事であれば、独自の視点やアイデアが評価されやすく、活躍の場が広がるでしょう。

アウトドアの仕事

ADHDの方の中でも多動症の特性が強く、長時間じっとしているのがむずかしい場合は、アウトドアの仕事が適しているかもしれません。

ADHDの方は、単調な作業や環境では飽きっぽくなり、集中力やモチベーションが低下することもあります。しかし、アウトドアの仕事であれば、これらの問題を回避できます。

特に、カメラマン、建築作業員、農業・林業などの体を動かす仕事は、ADHDの特性を活かせる可能性があります。

さらに、自然と接することによるリラクゼーション効果により、ストレス軽減も期待できます。

自分のペースで進められる仕事

ADHDの方で、自分で仕事の優先順位をつけることに抵抗がなく、協調性が求められる職場が苦手な場合は、自分のペースで進められる仕事が適しています。

自分のスケジュールを自己管理できる職種としては、公的機関・研究所等の研究員、プログラマー、エンジニアなどが挙げられます。他にもフリーランスのデザイナーやライター、プログラマーなどもおすすめです。
自分のペースで仕事ができる環境ではストレスが軽減されるため、パフォーマンスの向上にもつながります。

ただし、フリーランスはスケジュール管理を自分で行うことが多くなるため、スケジュールをなるべく一つのカレンダーやメモにまとめるなどして、見落としやダブルブッキングがないように心がけましょう。

転職で悩んでいるADHDの方が利用できる就労移行支援

ADHDの方は、転職における不安を解消するための有力な手段として、就労移行支援の制度を積極的に利用することがおすすめです。就労移行支援は、障がいのある方が自立した働き方を目指すための制度です。

専門スタッフによる個別サポートが行われており、職種訓練、就職および転職活動の支援、職場での適応力向上のための支援が受けられます。これにより、一般企業で必要とされるスキルや知識を習得できるため、転職の成功率を高めることが可能です。

また、ADHDの特性や一人ひとりの強みを理解した上で、個別に適切な職種や職場探しのサポート、応募書類の作成や面接の練習などのサービスも行われています。さらに、就職後の職場定着のサポートも提供しています。

就労移行支援に関して、さらに知りたい方は下記ページをご覧ください。
関連ページ:「就労移行支援とは

ADHDの方が転職する際は就労移行支援がおすすめ

今回は、ADHDの方を対象としたアンケートの結果から、転職活動中の注意点や困難だった体験談を紹介しました。ADHDの方にとって、自身の特性について理解し、その特性を活かせる仕事を選ぶことは、転職成功の重要なポイントです。

本記事で紹介した情報や就労移行支援などを活用し、自分に適した仕事を見つけることでADHDの特性を強みに変え、より良い職場環境で働くことが可能です。

「ココルポート」では、ADHDの方が自分の特性に適した仕事を見つけ、継続的に就労するためのサポートを行っています。一人で悩まず、「ココルポート」で一緒に転職の準備を進めていきましょう。

まずは「ココルポートの見学・相談」から、お気軽にお問い合わせください。

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西原 浩司(にしはら こうじ)

医学博士(慶応義塾大学)、精神科専門医・指導医、認定産業医
長崎大学病院精神科神経科助教、日本学術振興会特別研究員、慶応義塾大学医学部助教(生物学教室)を経て、現在は沖縄県の天久台病院を中心に精神科診療に従事。
その傍ら、慶応義塾大学医学部訪問研究員としてiPS細胞をもちいた精神疾患の基礎研究を行っている。また複数大手企業の産業医として漢方や鍼灸、栄養学的な情報「心とカラダの予防医学」を目指して活動中。

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