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不安症(不安障がい)で休職してもいい? 休職の期間やおすすめの過ごし方を解説
公開日:2023/08/31
更新日:2024/04/26
不安症のある方の中には、
「不安や心配が頭から離れず、仕事に行くのが億劫」
「不安症が原因で休職しても大丈夫かな?」
など、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
不安症は、無理をせず休養しながら、適切な対応をとることが大切です。
本記事では、不安症による休職期間の目安やおすすめの過ごし方について解説します。不安を少しでも軽減できるよう、実際の体験談から具体的なアドバイスもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
※近年の世界保健機関(WHO)などの診断基準の改訂により、「不安障がい」は「不安症」という名称へ移行しつつあります。ここでは、「不安症」に統一してお話を進めます。
目次
不安症(不安障がい)とは
不安症は、従来より「(全般性)不安障がい」として広く知られており、強い不安や心配、緊張感が持続することで日常生活を送るのが難しくなる精神疾患です。特に理由がない場合でも、漠然とした不安や緊張を強く感じ、その症状が続きます。
一度不安が強まると止まらなくなり、最悪の事態をイメージし続けてしまうケースもあります。何も手につかなくなり、ひどい時にはパニック発作が起きる場合があることも特徴です。
主な症状として、強い不安や落ち着きのなさ、いらいら・ぴりぴりした感じ、疲れやすさ、集中力の低下、睡眠障がい、身体の不調などが挙げられます。
万が一「不安や心配が頭から離れない」「緊張感が続いていて体調が悪くなる」などの症状が過度に表れた場合は、早めに精神科や心療内科を受診しましょう。
参照:厚生労働省「不安障害」
不安症(不安障がい)で休職した経験がある方の声
不安症のある方が休職を成功させるためには、休職経験者の声を聞くことが大切です。
ここでは、不安症により休職した経験がある方々を対象に行ったアンケートデータを基に、具体的な体験談を紹介します。
- ・不安症(不安障がい)の方はどのように働いている?
- ・不安症(不安障がい)のある方はどんな仕事をしている?
- ・不安症(不安障がい)で休職する時に気をつけたこと
- ・不安症(不安障がい)で休職する方にアドバイス
【アンケート概要】
調査時期:2023年7月5日~2023年7月6日
回答数:100件
調査手法:インターネット調査
調査対象:不安症(不安障がい)で休職した経験のある方
調査実施:インターネットリサーチ会社
不安症(不安障がい)の方はどのような職種で働いている?
不安症の方の働き方は多岐にわたります。以下、アンケート結果を基にグラフを作成しました。
▼現在の職種を教えてください
一般の民間企業で働いている方が最も多く、次いでパートやアルバイトなど、自営業(フリーランス)、公務員という順です。
具体的な職業としては、一般事務職や医療事務職、銀行員、運搬業者、飲食店店員、コンビニ店員などが多く見受けられました。
不安症の方も、職場の適切なサポートと周囲の理解があれば、様々な職業で働くことが可能といえます。
不安症(不安障がい)のある方はどんな仕事をしている?
不安症のある方も、様々な職業で活躍しています。具体的な仕事内容は、以下の通りです。
職業 | 仕事内容 |
---|---|
事務員 | データ入力、書類作成、経理、受付、電話対応等 |
ホテル・飲食スタッフ | ホテルのフロント対応、お客様の食事対応等 |
建設・土木作業員 | 土木作業、現場まで重機を運ぶ等 |
コンビニ店員 | レジ打ち、品出し作業等 |
介護職員・生活支援員 | 障がい者に対する生活・就業のサポート等 |
フリーランス※ | 韓国語講師、造園、建築物の設計、webライター、デザイナー等 |
※自営業・個人事業主含む
不安症(不安障がい)で休職する時に気をつけたこと
休職しようかどうか迷っている方は、以下の声を参考にしてみてください。
- ・診断書をもらい、傷病手当金がもらえるように申請した
- ・他の人に迷惑がかからないように、やることをリスト化した
- ・休職中の運営について、大元の会社と何度も話し合いをした
- ・仕事のことを考えないようにするため、連絡はメールのみにしてもらった
- ・自分自身を責めず、病気を治すことを優先した
立場によっては、休職する時のタイミングや自分が抜けた後の影響も考慮して休職準備を進めましょう。
不安症(不安障がい)で休職する方にアドバイス
不安症の方にとって休職することは勇気のいる大きな決断です。以下は実際に不安症により休職した経験者からいただいた声です。ぜひ参考にしてください。
- ・絶対に自分を責めたり無理したりしないで
- ・人生は先が長いので、少しくらい休職期間があっても大丈夫です
- ・自分の体を守れるのは自分だけなので、無理のないようにしてください
苦しい時には耐えるのではなく、一旦離れる勇気を持つことも大切です。復職するのが難しい場合は、フリーランスとして在宅で仕事をするという手もあります。利用できる制度を活用し、治療に専念しましょう。
不安症(不安障がい)で休職してもいいのか
自分の健康を守るためには、休職することも大切です。不安症は、日常生活に支障をきたすほど心身に強い症状が表れるため、仕事を続けるのが難しいと感じる方は少なくありません。
悪化を防ぐために、自分が不安症であることを自覚し、十分に休養してから改善策を考えるのが賢明です。
不安症と診断されても、早めに治療を開始して適切な対策を取れば、仕事を続けられる可能性もあります。ただし、症状の程度によって異なるため、主治医と相談しながら決めるとよいでしょう。
不安症(不安障がい)の休職期間の目安
不安症の休職期間は、一般的には約2〜3カ月、長くて6ヶ月程度になるケースが多い印象です。
ただし個々の回復状況や職場環境によって、休職期間が短いケースもあれば長くなることもあります。
そのため、3カ月以内と決めて焦って復職する必要はありません。休職期間中は、心身の健康状態を回復させることが最優先です。無理をせず適切な治療を受けつつ、自分のペースで回復を目指しましょう。
不安症(不安障がい)で休職中にすべきこと
休職中は、心と体を十分に休ませることが大切です。ここでは休息が最優先であることを踏まえた上で、休職中にすべきことを4つ紹介します。
- ・専門家に相談する
- ・職場と適切なコミュニケーションをとる
- ・生活習慣を整える
- ・ストレス管理方法を学ぶ
休職期間を有意義に過ごし、復職に向けた準備を進めるための参考にしてください。
専門家に相談する
休職中は不安や悩みを一人で抱え込まず、専門家に聞いてもらうことが大切です。たとえば、主治医や心理カウンセラーなどに相談すると、自分が抱える問題に対してプロの視点から適切なアドバイスが受けられます。
不安症の治療には、認知行動療法や薬物療法など様々な治療方法がありますので、ご自身にあった治療法についても相談できます。
また、職場の産業医やEAP(従業員支援プログラム)の相談・利用ができるようであれば、現状の職場環境を考えた上でのアドバイスをもらえることもあるでしょう。
さらに、自分の症状を正しく理解すれば、心身の健康を最優先に考えつつ復職までの治療プランを立てることも可能です。
もちろん、早く元気になるためには自分のペースで進めることが重要となります。しかし、専門家の助けを借りることを忘れないでください。
職場と適切なコミュニケーションをとる
休職後は心と体のケアに専念すると同時に、職場と適切なコミュニケーションをとることが大切です。
定期的に連絡をとることで職場に復職しやすくなるだけでなく、会社に自分の状況を把握してもらうことで、適切なサポートが得られるようになります。
連絡手段はメールやチャットツールなど、できる限りストレスの少ないものを選んでください。
連絡をするタイミングについては、月に1度医師からの受診結果を報告するなど、事前に人事や上司と相談して決めておくとよいでしょう。
生活習慣を整える
体調が改善してきたら、起床、食事、入浴、就寝時間等、休職前の生活リズムを徐々に取り戻すことが重要です。
可能であれば、午前中に散歩をして体を動かし、朝のうちに太陽の光を浴びましょう。
太陽の光を浴びることは、メラトニンというホルモンの夜間の分泌に影響し、体内時計を整えることで、睡眠や食欲のバランスの改善にも役立つといわれています。
生活習慣を整え、心身の健康を保ちつつ、自分のペースで無理なく復職に向けての準備を進めていきましょう。
ストレス管理方法を学ぶ
ストレスを適切に管理しコントロールすることは、不安症の改善や再発防止につながります。
まずは、ストレスの要因が自分の心と体にどのような影響を及ぼしているのかを考え、理解することが大切です。自分の感情や思考パターンが分かれば、体調や気分の変化にも気づきやすくなります。
また、リラクゼーション技術を学んで実践することも効果的です。マインドフルネス(瞑想)や呼吸法などはストレスを軽減し、心地よいリラクセーションをもたらすのに役立ちます。
不安症(不安障がい)での休職中に余裕を感じるようになったら
休職中に余裕を感じ、時間をもてあますようになれば、多少なりとも回復してきた証です。
ただし、ここで焦って無理をすると悪化と回復を行き来し、不調から抜け出せない状態に陥る可能性があるため注意しましょう。この期間は、自分に適したストレス解消法を改めて確認してみることが大切です。
- ・趣味や興味のある活動に取り組む
- ・体を動かし、気分転換をする
それぞれ詳しく見ていきましょう。
趣味や興味のある活動に取り組む
絵を描く、ハンドメイドをする、好きな楽器を演奏するなど、ご自身の好きなことで結構ですので趣味や興味のあることに取り組んでみてください。
特に、自己表現ができる創造的な趣味はストレス解消に有効でしょう。
また、興味深い本を読むことで、新たな知識が得られるだけでなく前向きな気持ちにもなれます。さらに、自分の可能性を広げるきっかけ作りにも最適です。
好きなことをすると心の健康維持にも役立つため、積極的に取り組みつつ有意義な時間を過ごしましょう。
体を動かし、気分転換をする
散歩やヨガなどの軽い運動をして体を動かすと気分転換になり、心が落ち着いてくるでしょう。また、少しの時間外に出て太陽の光を浴びるだけでも、精神的なリフレッシュ効果が期待できます。
さらに、海や山など自然の多い、空気の澄んだ場所に出かけてみるのもおすすめです。自然との触れ合いにはリラックス作用があるため、ストレス解消や気分転換になるでしょう。
ストレスを感じない程度に、焦らず自分のペースでゆっくりと進めてみてください。
不安症(不安障がい)の方が休職後に利用できる就労移行支援
就労移行支援は、障がい者総合支援法に基づいた福祉サービスの1つです。就労する上で必要となる訓練を行い、一般企業への応募から就職するまでの過程を支援するサービスです。
サービス内容には、就労に向けた訓練、職場見学・実習の他、就職活動や職場定着支援なども含まれています。
不安症などの精神障がい、知的障がい、発達障がい、身体障がい等、障がいのある方や特定の難病を抱えている方が対象となります。
利用者は就職や転職を目指す方が多いものの、休職中の方も条件が合えば就労支援事業所のサポートが受けられます。
休職中の方の利用条件は下記の通りです。
- ・休職中の方を雇用する企業、および地域の就労支援機関、医療機関による復職支援が困難な場合
- ・休職中の方が復職を希望しており、企業および医師により復職が適切と判断されている場合
- ・休職中の方が就労移行支援の利用により適切なサポートが受けられることが市区町村から認められた場合
利用料金は前年度の所得によって決定されます。また、利用期間は原則2年となっており、市区町村によっては期間延長を希望できます。
65歳未満で一般企業への就労を希望する方は、障がい者手帳の有無にかかわらず、医師の診断や自治体の判断により利用することが可能です。
不安症(不安障がい)で休職後に復職を目指すなら就労移行支援へ
本記事では、不安症により休職した経験がある方々の声をはじめ、休職期間の目安や過ごし方について解説してきました。
不安症は不安や緊張が過剰に強くなる病気のため、適切なサポートを受けつつ、自分に適した働き方を選ぶことが大切です。
不安症の方が休職後に就労する場合、「ココルポート」の就労移行支援サービスをおすすめします。就労移行支援事業所の「ココルポート」では、個々に適した職場で働くためのサポートを行っており、無料での見学・相談も随時受付中です。
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