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ADHD(注意欠如・多動性障がい)とは?特徴や症状、診断方法をご紹介

こんな困りごとはありませんか?

「失くし物や忘れ物を頻繁にしてしまう」
「待つことが苦手で、話に割り込んでしまう」
「興味関心が移りやすく、一つのことに集中できない」

発達障がいは、先天性の脳機能障がいであり、ADHDはその一種です。ここではその特性や治療法、診断方法など、ADHDに関する基本的な情報をお伝えします。

ADHDの原因

ADHDの方は、大脳の「前頭前野」の機能調節に偏りがあるという説が近年では有力ですが、詳細な原因ははっきりしていません。前頭前野は感情や行動の抑制など、脳のなかでも重要な部位です。

また、興奮に関わるドパミンやセロトニン、抑制性に関わるノルアドレナリンなど、脳内の神経伝達物質が不足していたり、普通の人ならば繋がっている神経がつながっていなかったり、普通の人ではつながっていない神経がつながっていたりと多彩な原因が言われています。遺伝子的要因の説もあります。

ADHDの主な特性とその症状

ADHDは「注意欠如・多動性障がい」と呼ばれ、不注意、多動性、衝動性の3つの特性があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

不注意

注意を持続することが難しい、忘れ物や失くし物が多いなどの症状があります。忘れ物が多かったり、授業中にキョロキョロしていたりする子どもは少なからずおり、「次からは気をつけようね」で済むため、子どものうちは困ることも少ないでしょう。

しかし、大人になり働き始めると、「仕事に使うものを忘れた、失くした」「上司や客の話を聞いていなかった」などの特性による困りごとは大きな問題となります。

多動性

子供のうちは机や椅子をガタガタと揺らしたり、常に何かを触っていないと落ち着かないなどの症状が見られ、大人になると貧乏ゆすりが目立つなどじっとしていられない傾向にあります。

衝動性

思ったことをすぐに口にしてしまい、会話のキャッチボールを苦手とします。また、自身の欲求をコントロールすることも苦手で、自分の思い通りにならなかった場合すぐにイライラしてしまいます。そのイライラを発散するために大声を出したり、モノに当たるケースもあります。

ADHDの方が抱えやすい困りごと

ADHDの方が抱えやすい困りごとには、以下のようなものがあります。

  • ・夜に眠れず、昼間に眠たくなってしまう
  • ・落ち着きがなく注意を持続することが難しい
  • ・気が散りやすく、集中力が続かない
  • ・与えられた課題の途中で、別のことに手を出してしまう
  • ・待つことが苦手で、列に並ばずに割り込みをしてしまうこともある
  • ・「注目してください」と言われても、すぐ他のことに関心が移ってしまう など

 
困りごとの内容や程度は人それぞれです。自分が「いつ、何に困っているのか」を知れば、対策をたてることができ、困りごとやストレスの軽減につながります。ぜひ一度、自分の困りごとを整理してみましょう。

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ADHDの治療方法

ADHDの主な治療法は、心理社会的療法と薬物療法です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

心理社会的療法

ADHDと診断されてまず検討されるのが、この「心理社会的治療」です。心理社会的治療の一部を紹介します。

環境調整

本人が日常生活を送りやすいように周囲の環境を工夫することを「環境調整」といいます。失くし物が多い場合はBluetoothを利用した紛失防止タグを活用する、物事の締め切りを守れない場合は、スマートフォンなどのリマインダー機能を利用するなどの対応が考えられます。

行動療法

望ましい行動ができたときは褒める、望ましくない行動にはしっかりとフィードバックをおこないます。望ましくない行動に先行する状況やきっかけが生じない方法や、行動の後の対応への工夫を検討します。

ソーシャルスキル・トレーニング(SST)

社会と上手に関わっていくために必要な技術(スキル)を身に着けるためのプログラムです。最近は療育の場や医療機関だけでなく、教育現場でも広まりつつあります。人との接し方や感情をコントロールするための方法、学校生活の送り方などを学びます。

ペアレントトレーニング

同じ悩みを持つ保護者などが集まり、行動療法の理論に基づいて子供の行動を理解し、関わり方などを学ぶプログラムです。親子のやり取りがスムーズになり、保護者のストレスが軽減されることも目的の1つです。最近は医療機関だけでなく、自治体全体で子育て支援の一環として取り組む地域も増えています。

薬物治療

ADHDの薬物治療では、コンサータ、ストラテラ、インチュニブなどが使われることが多いです。これらの薬は作用するメカニズムが少しずつ異なりますが、ADHDに現れる、多動性・衝動性・不注意に効果を発揮します。

ですが、ADHDは薬物治療だけで治るものではありません。ADHDの症状を自覚してそれを克服する手段、対策を自ら身に着けていくことが治療の最終的な目標であると言えます。

ADHDの薬物治療は、患者さんが日常生活を不便なく行えるようにするための補助と捉えたほうが良いとも言えるでしょう。

※薬に関する質問については、かかりつけの医師等の専門の方にご相談ください。

ADHDの診断方法

ここでは、ADHDの診断基準と病院での診断の流れについて解説します。

診断基準

ADHDの診断については、アメリカ精神医学会(APA)のDSM-5(「精神疾患の診断・統計マニュアル 第5版」)に記述されており、下記などの条件が全て満たされたときにADHDと診断されます。

●ADHDの診断基準

「不注意(活動に集中できない・気が散りやすい・物をなくしやすい・順序だてて活動に取り組めないなど)」と「多動-衝動性(じっとしていられない・静かに遊べない・待つことが苦手で他人のじゃまをしてしまうなど)」が同程度の年齢の発達水準に比べてより頻繁に強く認められること
症状のいくつかが12歳以前より認められること
2つ以上の状況において(家庭、学校、職場、その他の活動中など)障がいとなっていること
発達に応じた対人関係や学業的・職業的な機能が障がいされていること
その症状が、統合失調症、または他の精神病性障がいの経過中に起こるものではなく、他の精神疾患ではうまく説明されないこと

引用:稲垣真澄加賀佳美「ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療」e-ヘルスネット 厚生労働省(2021)

このようにADHDの診断は医師の診察で観察された行動上の特徴に基づいて行われ、単独で診断ができるような確立した医学的検査はありません。しかし、一部の神経疾患・身体疾患・虐待・不安定な子育て環境などが子どもにADHDそっくりの症状を引き起こす場合があり、小児科・小児神経科・児童精神科医師による医学的評価は非常に重要です。

病院での診断の流れ

病院では、以下のような流れで診断をおこないます。

  • ・診察(問診・面談)
  • ・検査
  • ・診断

 

診察では、幼少期から現在までの様子の聞き取りをおこないます。ADHDなどの発達障がいは先天性の脳機能障がいと考えられているため、幼少期から特性が現れていた可能性が高いです。幼少期の様子は診断の大きな手がかりとなります。

検査では、なにが得意でなにが不得意なのかを調べる認知機能検査などをおこないます。検査により自分の課題を知ることができます。

その後、診察と検査の結果を総合的に判断し、ADHDの診断がくだされます。(ただし、全員が全ての検査をしないといけないわけではなく、診断に必要な検査は医師が指示したものになります。)

本人と家族はどのようにADHDとつきあっていけばよいか

ADHDの方がもつ特性は、親のしつけや本人の努力不足が原因ではありません。生まれつき脳の働きに偏りがあるため、自分の行動を制御できないのです。行動を叱責(しっせき)したり、無理に抑えつけたりすることは逆効果であり、ストレスによりうつ病などの二次障がいを引き起こす恐れもあります。

本人だけではなく周囲もADHDの特性を理解して対処することで、互いの困りごとやストレスを軽減できるでしょう。

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精神保健指定医/日本精神神経学会専門医・指導医

岡田 夕子(おかだ ゆうこ)


精神保健指定医/日本精神神経学会専門医・指導医
2005年滋賀医科大学卒業後、小児科や産業医として勤務した後に精神科へと転身。身体的、精神的症状を訴える患者を受け持つ。思春期特有の心の病気に取り組む「思春期外来」も担当しているほか、精神科系の記事執筆や監修なども行っている。

こんなお困りありませんか?

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