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聴覚障がいのある方に向いている仕事や相談できる機関について解説
公開日:2022/06/14
更新日:2024/04/25
聴覚障がいのある方の中には、仕事探しについて不安を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、聴覚障がいのある方が安心して仕事探しができ、また長く仕事を続けていくための情報をまとめています。
聴覚障がいのある方が抱えやすい仕事の悩み、おすすめの仕事、仕事探しをする上でのコツ、頼ることができる専門機関などについても紹介していきます。
目次
聴覚障がいとは
聴覚障がいとは、音を感じる内耳や、音を伝える外耳や中耳に問題があるため聞こえにくい状態のことを指します。
医学的には、内耳の障がいは「感音性難聴」、外耳や中耳の障がいは「伝音性難聴」、両方の原因がある場合は「混合性難聴」に分類されます。
そのほかにも聴覚障がいとなったタイミングによるなど、さまざまな分類がありますが、ここでは一般的な分類や、身体障がい者手帳の等級などについて説明します。
大きく3つに分類される
聴覚障がいは、大きく3つに分類されます。それぞれの特徴について解説します。
ろう
一般的には、生まれつき、もしくは幼少の頃からの障がいで、音声による言語を習得していない方を指すことが多いです。
補聴器などを使用しても音声を聞き取ることが難しく、医学的には両耳の聴力レベル100dB以上の最重度の聴覚障がい(最重度難聴)と定義されています。
※dB(デシベル):どれくらいの大きさの音を聞き取れるか(聴力レベル)を表現するのに用いられる音の大きさ(音圧)の単位。
難聴
聴力は残っていますが、音を聞き取りにくい状態です。
聞こえる程度は、「軽度難聴」から「重度難聴」までさまざまで、聴力レベルによって定義されます。
中途失聴
もともとは聞こえていた方が、病気や事故などで聴力に問題が生じたケースです。
音声による言語はすでに習得しており、後天性の聴覚障がいともいわれます。
障がい者手帳には6つの等級がある
一定のレベルより聴力が低い方には、身体障がい者手帳が交付されます。
聴力の程度によって以下の4段階の等級が定められています。
6級
- ・両耳の聴力レベルが70dB以上
- ・片耳の聴力レベルが90dB以上、他耳の聴力レベルが50dB以上
4級
- ・両耳の聴力レベルが80dB以上
- ・両耳による普通話声の最良の語音明瞭度が50%以下
3級
・両耳の聴力レベルがともに90dB以上
2級
・両耳の聴力レベルがともに100dB以上(両耳全ろう)
引用:厚生労働省「身体障害者障害程度等級表(身体障害者福祉法施行規則別表第5号)」
聴覚障がいのある方が仕事で困りやすい場面とその対処方法
聴覚障がいのある方は、コミュニケーションに関する悩みを抱えやすいといわれています。新しい仕事をはじめようとする時には尚更です。
また、内耳に障がいのある方は、仕事のストレスからめまいなどの体調不良が起こりやすくなることもあります。
聴覚障がいのある方が抱えやすい仕事の悩みやトラブルについて、以下に対処方法と合わせて、説明していきます。
コミュニケーションの場における悩み
聴覚障がいのある方がコミュニケーションの場において、抱えやすい悩みは下記の通りです。
- ・仕事に関する情報を正しく得られない
- ・伝えるべき情報をうまく伝えられない
- ・雑談が難しい、声をかけられたことに気づけないなど、誤解されてしまうことがある
コミュニケーションの場における対処方法
コミュニケーションの場においての悩みの対処例は下記の通りです。
- ・どのようなコミュニケーションが可能かをあらかじめ伝えておく
- ・メール、チャットなどのサポートツールを活用する
- ・マスクで口元が見えない場合は「口読み」(口の動きで会話を理解すること)ができないため、筆談などを利用する
通勤時における悩み
聴覚障がいのある方が通勤時において、抱えやすい悩みは下記の通りです。
- ・車内アナウンスが把握しにくく、不測の事態への対応が難しい
- ・体調不良があった時、周囲にそれを伝えにくい
通勤時における対処方法
通勤時の悩みの対処例は下記の通りです。
- ・フレックスタイム制などを利用し、通勤ラッシュや人混みを避ける通勤方法を探す
- ・緊急時の連絡先などがすぐわかるようにして持ち歩く
聴覚障がいのある方におすすめの仕事
PCやスマートフォンなど、ITの進歩により聴覚障がいのある方の仕事にも幅が出ています。
聴覚障がいのある方向けのアプリなども開発が進み、コミュニケーション方法に選択肢が増えている傾向にあります。
業界としては、医療や福祉関係は聴覚障がいへの理解があるため働きやすいでしょう。具体的な業種では、以下がおすすめです。
事務職
PCを使っての仕事が中心のため、活躍の場が多くなります。
プログラマー
こちらも基本的にPC上での作業で業務を完結することができるため、おすすめです。
プログラマーは、専門的な技能を取得することで、さらに仕事が受けやすくなります。
Webデザイナー・サイト運用管理
一定の技能・経験が求められる場合が多いですが、在宅での業務が可能で、ストレスが少ない環境で働けます。聴覚障がいのある方向けの求人もあります。
聴覚障がいのある方の仕事探しのコツ
聴覚障がいのある方の仕事探しは難しそうとお考えの方も多いのではないでしょうか。
そんな時は、仕事探しのコツやポイントを押さえることが安心材料になります。気負わず、自分なりの仕事探しができるよう参考にしてください。
では、聴覚障がいのある方が実際に仕事探しをはじめる前に押さえておくとよいポイントを紹介していきます。
アルバイトやパートタイムなどの短時間勤務を検討する
まずは短時間からでも実際に働いて、職場の雰囲気や自分ができる仕事範囲を確認することが重要です。
聴覚障がいがあると、仕事の上で心身へのストレスがかかりやすい場合があります。最初から無理をせず、短時間からのチャレンジを検討してみてください。
自分に向いていることが確認できたら、勤務時間や勤務形態を再検討してみましょう。
障がい者雇用枠を利用する
障がい者雇用枠の利用には、メリットとデメリットがあります。
メリットは、障がいに対する配慮を得られ、仕事を続けやすい傾向にあるということです。また、競争率も比較的低く、雇用される可能性が高くなります。
デメリットは、職種の幅が狭くなる、収入が比較的低い傾向にある、などがあげられます。自分の状況に応じて利用するかどうかを検討しましょう。
聴覚障がいに理解のある職場かどうかリサーチする
仕事の継続において、勤める予定の職場が聴覚障がいに理解があるかをリサーチをすることは、とても重要なポイントです。
あらかじめ聴覚障がいに対する配慮があるか質問してみましょう。その際の対応で、理解のある職場かどうか、ある程度予想できます。
筆談やチャットアプリの使用は可能か、補聴器を使用しているという情報を共有し配慮してもらえるか、などリサーチすることを細かくまとめておくとよいです。
聴覚障がいのある方が仕事をする上で活用できる制度
聴覚障がいのある方が仕事を探す時や、普段の生活でも活用できる支援機関について解説します。
ハローワーク
ハローワークには、障がいや疾患のある方の就労を支援する「専門援助部門」という窓口があります。
自分だけで就職・転職活動をするより、適した仕事が見つかる可能性が高まります。
地域障がい者職業センター
地域障がい者職業センターは障がい者の職業リハビリテーションに関する事業を行う専門機関です。
障がい者職業カウンセラーやリワークアシスタント、ジョブコーチが所属しています。ハローワークと連携しており、障がい者の就労をサポートしてくれます。
ジョブコーチ(職場適応援助者)
障がいのある方が、職場にうまく適応し、職場で定着して働けるよう、本人や事業主にアドバイスなどの支援を行う援助者です。
地域障がい者職業センターや企業などに所属しています。
障がい者就業・生活支援センター
障がい者就業・生活支援センターは障がい者雇用促進法で定められている、障がい者の身近な地域における、就業面と健康管理・金銭管理などの生活面の一体的な支援を行う専門機関です。
障がい者の自立を促進する目的で設置されています。
就労移行支援事業所
障がいや疾患のある方の就労に必要な訓練などを行い、一般企業への求職から就職までの一連の過程をサポートする支援機関です。
「職業訓練の提供」と「就職活動の支援」などを行い、履歴書作成や面接対策などの就職活動のサポート、就職後の定着支援などを受けることができます。
聴覚障がいのある方は、自分の状況に応じて仕事を選ぼう
自分に合った仕事を探すには、まずは自分の特性を理解することです。
聴覚障がいの分類や等級、自分にできるコミュニケーション方法などを確認し、どのような仕事内容ならできそうかを考えてみましょう。
自分に合った仕事を探し長く働くためには、家族や職場などの支援を得ることが大切です。支援機関なども助けになってくれます。
就労支援機関を活用する
まずどこに相談しようか迷った時は、就労移行支援事業所(就労支援機関)が相談先としておすすめです。
仕事探しだけでなく、生活面の困りごとなど総合的なサポートが得られます。就労移行支援事業所である「ココルポート」では、電話だけでなくメールでのご相談も受け付けています。
ひとりひとりの状況に合わせて個別に対応していますので、就労に向けて動き出すきっかけとしてぜひ利用してみてください。
※ココルポートの実績
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以下はよくご相談いただく課題やお悩みの例になります。
ご自身にあてはまる課題やお悩みをクリックするとご提案の例が表示されますのでぜひご参考にしていただければと思います。
チャレンジすることに不安があるかもしれませんが、Cocorportは「失敗できる場」なので、ぜひいろいろなことにチャレンジしていただければと思います。
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